OpenCore Legacy Patcher 2.3.0が公開 ―macOS 15.4対応と安定性向上、zip版が廃止

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本日(2025年4月2日)、Dortaniaは今年初の更新、「OpenCore Legacy Patcher(OCLP)2.3.0」を正式にリリースしました。
本バージョンは、macOS Sequoia 15.4(macOS 15.4)への対応強化と、非Metal環境の安定化を中心とした重要なアップデートで、ついにzip版での提供終了した最初のバージョンです。

関連> 【詳解】macOS Sonomaのサポート対象外のMacにOpenCore Legacy Patcherを使用してインストールする方法(1/3)
動画> 【macOS Sonoma/macOS Sequoia共通】サポート対象外のMacにOpenCore Legacy Patcherを使用して最新のmacOSをインストールする方法(あのかぼ) YouTube
OCLP 2.3.0の主な変更点
macOS Sequoia 15.4 対応の強化
- Broadwell世代(Intel第5世代)のウィジェット描画不具合を修正
- T1チップ搭載Macとの通信エラーを解消
- 非Metal GPU環境でのクラッシュ問題をmacOS Big SurおよびSequoia(15.4)で修正
これにより、該当する旧型Macにおいても、最新のmacOSでウィジェットやメニューバーがより安定して表示されるようになりました。
1. Broadwellウィジェットレンダリングの修正
OpenCore Legacy Patcher 2.3.0では、Broadwell世代のIntelプロセッサを搭載したMacで、ウィジェットが正しく描画されない問題が解決されました。この修正により、古いMacでも最新のmacOSをより快適に使用できるようになり、特にUI周りのパフォーマンスが向上します。
2. T1チップの通信エラーを修正
macOS Sequoia上で、AppleのT1チップを搭載したデバイス(Touch IDやApple Payなどに関連)で発生していた通信エラーが解消されました。これにより、これらのセキュリティ機能がより安定して動作するようになり、ユーザーはスムーズに指紋認証やApple Payの機能を利用できます。
3. 非Metal GPU環境におけるグラフィカルな問題を解決
macOS Sequoiaおよびその他のOSで、Metalに非対応のGPUを使用している場合に発生していたグラフィカルな問題(例:クラッシュや描画不良)が修正されました。これにより、古いMacのユーザーも安定した操作感で利用できるようになります。
クラッシュ分析機能の無効化
OpenCore Legacy Patcher 2.3.0では、クラッシュ分析(Crash Analytics)機能が無効化されました。サーバー側では既に停止されており、今回のアップデートでクライアント側も削除。プライバシーと軽量化を意識した変更です。
インストール方法の変更
OpenCore Legacy Patcher 2.3.0では、v1.5.0で非推奨となった従来の「OpenCore-Patcher-GUI.app.zip」がリリースから削除され、代わりに「OpenCore-Patcher.pkg」を使用したインストール方法が推奨されています。
この変更により、インストール手順が簡素化され、より安定したセットアップが可能になりました。
バイナリのアップデート
本バージョンには、複数の重要なバイナリの更新も含まれています。これには、以下のような主要なパッチが含まれています:
- OpenCorePkg 1.0.4
- Lilu 1.7.0
- WhateverGreen 1.6.9
- NVMeFix 1.1.2
- AirPortBrcmFixup 2.1.9 など
これらの更新により、古いMacでのハードウェアサポートがさらに強化され、より広範囲のデバイスに対応することができます。
macOS Sequoiaの進化と対応
OpenCore Legacy Patcher 2.3.0は、macOS Sequoiaのサポートをさらに改善しましたが、開発は依然としてアクティブに進行中です。非Metal環境や一部の古いハードウェアに関しては、引き続き問題が発生することがありますが、コミュニティ主導での改良が続いています。特に、非Metal GPUを搭載したMacにおいては、Photosアプリなどの一部機能が正常に動作しない可能性があります。
今後の展望
macOS Sequoiaは、これからも進化を続けていきますが、現時点では全ての古いMacで完璧に動作するわけではありません。OpenCore Legacy Patcherの開発チームは、引き続きユーザーからのフィードバックをもとに、改善に取り組んでいます。ユーザーは、問題に直面した場合には、以前のバージョンのmacOSを使用することが推奨されています。
まとめ
OpenCore Legacy Patcher 2.3.0のリリースにより、macOS 15.4(Sequoia)への対応が大きく進展しました。特に、Broadwell世代のMacにおける描画問題の解決や、T1チップのエラー修正、非Metal環境での安定性向上など、多くの重要な改善が含まれています。また、インストール手順の簡素化やプライバシー強化も新しいバージョンの特徴です。
【整備済み品】 Apple Mac mini M1 2020 (8GB RAM,256GB SSD,8コアCPU/8コアGPU) (整備済み品)
資料> macOS Sequoia and OpenCore Legacy Patcher Support #1136 (英語)
関連> 【詳解】macOS Sonomaのサポート対象外のMacにOpenCore Legacy Patcherを使用してインストールする方法 シリーズ(全3記事)
動画> 【macOS Sonoma/macOS Sequoia共通】サポート対象外のMa
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