OCLPを使用してインストールしたMacのうち、OTAでアップグレードしない方がいい機種まとめ

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この記事ではOpenCore Legacy Patcherを使用してmacOSをインストールしたMacのうち、OTAでアップグレードしない方がいいかもしれない機種をまとめました。
※ 執筆時点(11月21日)では2011年以前のMacにはmacOS Venturaをインストールすることは推奨されておりません。OpenCore Legacy Patcherが2011年以前のモデルに対応するまではmacOS MontereyまでのOSをご利用ください。
※ OpenCore Legacy Patcherが対応していない2011年モデル以前についての予測的な内容を含んでいます。
なお、macOS Venturaにアップグレードすることなく、元のOSをアップデートする方法についてはこちらの記事をご覧ください。
概要
2022年10月24日(米国現地時間)にリリースされたmacOS Venturaでは多数の新機能が加わりましたが、それ以外にもOSの挙動や処理に多くの変更が加えられました。
それにより、OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS をインストールした方で特定のハードウェアを搭載したMacや条件によっては、ソフトウェア・アップデート等からのmacOS Venturaへのアップグレードを行うと正常に使用できるようになるまで予期せぬトラブルや煩雑な作業が発生する可能性があります。
この記事ではこのトラブルに該当するMacや、その解決策についてまとめています。
目次
この問題の原因
この問題はグラフィックスタックに大幅な変更を加えたり、USB 1.1のサポートを打ち切るなど、動作における重要な変更を多数加えたためで、アップグレード後にWi-FiやBluetoothが利用できなくなる可能性があるほか、MacBookシリーズなどではキーボードやトラックパッドが利用できなくなる恐れがあります。
ただし、これらの問題は必ずしもmacOS Venturaからという訳でなく、一部の問題はmacOS Mentereyでも発現します。
関連 > 今、Mac Pro 2012以前のMacにmacOS Venturaをインストールすべきでない理由と今後
このトラブルは、OpenCore Legacy Patcherの開発チームが公開している適切なルートパッチをインストールすることで解決できます。
執筆時点(2022年11月21日)ではこれらに対応するルートパッチは公開されておらず、OpenCore Legacy Patcherの開発チームも2011年以前のMacにはmacOS Venturaのインストールをしないように呼び掛けています。
アップグレードに注意すべきMac
OpenCore Legacy Patcherを使用するMacのうち、OTAを用いたアップグレードに注意すべきなのは2011年以前のモデルです。
以下のリストはOTAを用いたmacOS のアップグレードに特に注意が必要なMacです。
※ このリストにないMacが必ずしも正常にアップグレードできるということではありません。
- iMac (Mid 2011): iMac12,x 以前
- Mac mini (Late 2009): Macmini3,1 以前
- Mac Pro (Mid 2010): MacPro5,1 以前
- Mac Pro Server (Mid 2010): MacPro5,1 以前
- MacBook (Early 2009): MacBook5,x 以前
- MacBook Air (Mid 2009): MacBookAir2,1 以前
- MacBook Pro (13-inch, Mid 2010): MacBookPro7,1 以前
- MacBookPro6,x除く
以上がソフトウェアアップデートなどのOTAでのmacOS のアップグレードをお勧めできないMacです。
その他、以下の製品についてもUSB 1.1のサポートが切られているために特定のUSBポートが利用できないか、内蔵のキーボードやトラックパッド等が利用できません。
- Mac Pro (Mid 2012): MacPro5,1 以前
- Mac Pro Server (Mid 2012): MacPro5,1 以前
- MacBook (13-inch, Mid 2010): MacBook7,1 以前
- MacBook Air (11-inch, Late 2010): MacBookAir3,1 以前
上記に該当するMacではOTAを用いたmacOS Venturaへのアップグレードは行わないか、適切な回避策を用意してください。
回避策
「アップグレードに注意すべきMac」に該当するMacではソフトウェア・アップデートやApp Store経由でのいわゆるOTAを用いたmacOS Venturaへのアップグレードで不具合が生じる可能性があります。
これらのトラブルを回避するには、以下の手法が有効だと思います。
- ブータブルメディアを作成しインプレースアップグレードを行う
- USB 2.0のポートに対してUSBキーボード、マウスを使用してアップグレードを行う
OTAアップグレードが推奨されないMacではUSBメモリなどに対しOpenCore Legacy Patcherをインストールしたブータブルメディアを作成し、インプレースインストールを行うといいかもしれません。
これはOpenCore Legacy Patcherを使用してUSBのブータブルメディアを作成すると、macOS のインストール後に自動的にルートパッチが適用されるためで、のちの作業を軽減させる効果を期待できます。
その他、もしもmacOS に問題が発生した場合でも、ブータブルメディアを作成しておくことで再度インストールが出来るなど、ブータブルメディアは作成しておいて損はしません。
また何らかの事情でOCLPがインストールされたブータブルメディアを用意できない場合には、ローカルディスク内に最新版のOpenCore Legacy Patcherを予めダウンロードしておき、macOS のアップグレードが完了したらルートパッチをインストールするという方法もあります。
また、USB 1.1に依存したMacでは、使用するUSBポートによってはUSBが利用できなくなる他、MacBookシリーズなどのキーボードやトラックパッドを搭載した製品では、これらが利用できなくなる可能性があります。
その為、USBキーボード(有線/無線問わず)を使用して作業を行うようにしていただければと思います。
まとめ
いかがでしょうか。
執筆時点ではOpenCore Legacy Patcherを使用して2011年以前のMacに対しmacOS Venturaをインストールすることは推奨されていません。OpenCore Legacy Patcherの開発をしているMykola Grymalyuk 氏によると、「macOS Big Sur以来の最大の課題」というように多数の変更がmacOS Venturaに加えられています。
そんなmacOS Venturaが2011年以前のMacにインストールできるようになった場合にはもしかしたら、OTAでのアップグレードはしない方が良いのかもしれません。
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