これまで「あのかぼ」や「おんかぼ」では古いMacに最新のmacOSをインストールする方法やOpenCore Legacy Patcher (OCLP)の使い方について紹介してきました。この記事ではOCLP関連の記事を投稿する上で、「あのかぼ」や「おんかぼ」で頂く質問とその答え(FAQ)についてまとめてみました。
OCLPを利用して古いMacを復活させたい方の参考になれば幸いです。
目次
OCLP関連のトラブルとその解決方法は各macOSに用意していますが、その中でもよく寄せられるトラブルについてまとめました。
Q. OCLPを使用したMacで進入禁止マークが表示されて起動できなくなった時は?
A. macOSがOpenCore Legacy Patcher (OCLP)から起動していることを確認してください。Macの起動時に option キー(alt キー)を押し続け、Apple Startup Managerを立ち上げます。
そして、「EFI Boot」(OpenCoreのアイコン)のラベルを選択し、Enter キーを押しmacOS をインストールしたボリュームを選択し、起動します。詳しくはあのかぼの「OCLPを使用してmacOS をインストールした後、禁止マークが出て起動しない場合の解決方法 」をご覧ください。
Q. 「ソフトウェアアップデートの準備中にエラーが起きました。」でインストールが完了しない
OpenCore Legacy Patcher (OCLP)を使用してmacOS のインストールやアップグレードを行っている最中に「ソフトウェアアップデートの準備中にエラーが起きました。」と表示され作業が完了しない場合にはMacの電源を切り、再起動時にOpenCoreのブートピッカーで「macOS Installer 」を選択して起動します。
これでも解決しない場合にはMacのファームウェアが最新のものになっているか、USBメモリに作成したmacOSのインストーラに問題がないかを確認してください。
Q. macOSのインストール中にキーボードやトラックパッドが利用できなくなった
A. macOS 14 SonomaではUSB 1.1のサポートを終了したため、macOS 14 Sonoma以降ではUSB 1.1に依存する機器の利用ができなくなります。これには一部のMacBookやMac Proの一部のポートが含まれています。この場合にはUSB 2.0以降をサポートするUSBハブやUSB接続のマウス やキーボード を使用し
マウスやキーボードなどが利用できなくなる恐れがあるタイミング
macOSのインストール
macOSのアップデート/アップグレード
ルートパッチの未適用時
Q. Wi-Fiの自動接続ができなくなった
macOS 12.7.4以降、macOS 13.6.5以降、macOS 14.4以降をインストールすると一部のMacでWi-Fiの自動接続ができなくなる恐れがあります。この場合には一度接続するWi-Fiの設定を削除し、再度Wi-Fiを行う必要があります。
▼ この影響を受けるMac
MacBook5,x (Early 2008 – Early 2009)
MacBookAir2,1 – MacBookAir3,x (Mid 2008 – Late 2010)
MacBookPro4,1 – MacBookPro7,1 (Late 2008 – Mid 2010)
iMac7,1 – iMac12,x (Mid 2007 – Mid 2011)
Macmini3,1 (Early 2009 – Late 2009)
MacPro3,1 – MacPro5,1 (Early 2008 – Mid 2012)
OSのインストール/アップグレードについて
Q. OCLPがサポートしているOSを教えてください。
A. 2024年6月時点ではOpenCore Legacy PatcherがサポートしているmacOSはmacOS 11 Big Sur からmacOS 14 Sonomaです。macOS 11 Big Surより古いmacOS、つまりmacOS 10.15 Catalina は以前はOpenCore Legacy Patcherを使用することはできません。(インストールそのものは出来てもトラブルが発生する可能性があります。)
Q. OCLPでmacOS 10.15 Catalinaをインストールすることはできますか?
A. OCLPではmacOS 10.15 Catalinaをサポートしておらずインストールすることはできません。(インストール自体は完了するものの、トラブルが発生する可能性があります。macOS 10.15 Catalinaをインストールしたい方はdosdude1氏が開発するmacOS Catalina Patcher を利用してください。
Q. macOS のアップデートを行う度にルートパッチのインストールが求められます。改善できますか?
OCLPを使用してmacOSをインストールしたMacのうちルートパッチの適用が必須なMacでは、macOSのアップデート後にルートパッチのインストールを求めらることがあります。これはmacOS のアップデート後にルートパッチが利用できなくなるためで、この挙動はOCLPでは改善できません。
OpenCore Legacy Patcherでのメンテナンスについて
Q. OCLPでmacOSをインストールした場合、macOSのアップデートはできますか?
A. はい。ネイティブにサポートされたMacと同じようにmacOSのアップデートが可能です。ただし、AppleがmacOSに加えた変更によってはOpenCore Legacy Patcherで対応できない場合があります。こうした事態を回避するために、macOSをアップデートする前に、OpenCore Legacy Patcherのチェンジログや、弊サイトのOpenCore Legacy Patcherの最新情報 をチェックしてから作業することをオススメします。
また、macOSのアップデートを行う際には、最新のOpenCore Legacy Patcherを使用してOpenCoreをアップデートすることや、必要なデータは必ず作業前にバックアップすることが推奨されます。
Q. 起動時に表示されるOpenCore のブートピッカーを非表示にすることはできますか?
デフォルト(初期値)では起動時にOpenCore Legacy Patcherのブートピッカーが表示される設定になっています。
A. Macを起動する際に表示されるOpenCore のブートピッカーを非表示にするにはOpenCore Legacy Patcherのアプリ(OpenCore Patcher)のメインメニューから「Settings」を選択し、「Show OpenCore Boot Picker」のチェックボックスをオフにして、再度OpenCoreをビルド/インストールを行います。
詳しくは「【0.6.6対応版】OpenCore Legacy Patcherのブートピッカーを非表示にする方法 」をご覧ください。
OpenCore Legacy Patcherの安全性や開発者について
Q. OpenCore Legacy Patcherは危険ですか?
A. OpenCore Legacy Patcherを開発するMykola Grymalyuk氏はセキュリティ関連の研究を行い、Appleにも脆弱性を報告し、貢献者として記載されている方です。OpenCore Legacy Patcherの公式GitHubリポジトリで公開しているプリビルドパッケージはAppleの公証を通過しており安心して利用できます。
ただし、過去にはOpenCore Legacy Patcherの偽サイトが公開されたこともあります。OpenCore Legacy Patcherをダウンロードする際には必ずOpenCore Legacy Patcherの公式GitHubリポジトリ からダウンロードしましょう。
Q. OpenCore Legacy Patcherは誰が開発していますか?
A. OpenCore Legacy Patcherはセキュリティ関連について研究しているMykola Grymalyuk氏とDhinak Gが中心となり開発 するコミュニティーベースのプロジェクトです。
Q. OpenCore Legacy Patcherを使用する際の注意点を教えてください。
A. OpenCore Legacy Patcherはあくまでも非公式なプロジェクトでAppleからのサポートはありません。また、多くのハードウェアをサポートしているOCLPですが、全てのハードウェアが問題なく利用できるとは限りません。一部のソフトウェアや機能に問題が生じる可能性もあります。
OCLPだけに限りませんが、OCLPを使用してmacOS のインストールやアップデート/アップグレードする際には必ずバックアップを行いましょう。
まとめ
ここまでOpenCore Legacy Patcher (OCLP)関連でよくお問い合わせいただく内容について紹介しました。 このFAQがOpenCore Legacy Patcherを利用して古いMacにmacOSをインストールする方の一助になることを願っております。
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