今、Mac Pro 2012以前のMacにmacOS Venturaをインストールすべきでない理由と今後

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先日、OpenCore Legacy Patcherが更新され、Mac Pro (Late 2013)にmacOS Venturaをインストールできるようになったという記事を公開しましたが、依然としてOpneCore Legacy Patcherは2012以前のMac Proを含む、2011年以前のMacをサポートしていません。
では、現時点でmacOS Venturaをインストールしたらどのような不具合に陥るのでしょうか?
この記事ではそんな疑問にお応えします。

Mac Pro (Mid 2012)以前のMacはMetal GPUに換装していても注意
macOS Montereyまでは些細な問題はありつつも、Metalに対応したグラフィックボードに換装することでmacOSを動かすことが可能でした。
しかし、macOS 13 Venturaでは、グラフィックスタックに大幅な変更を加えたり、USB 1.1のサポートを打ち切るなど、動作における重要な変更を多数加えたためOpenCore Legacy Patcherチームによると「Big Sur 以来の最大の課題」としています。
今、Mac Pro (Mid 2012)以前のMac ProでmacOS Venturaをお勧めしない理由
詳しい解説は次の章からしていくとして、OpenCore Legacy PatcherでサポートされていないMacにmacOS Venturaをインストールすると起こる不利益を紹介します。
- Wi-FiやBluetoothが利用できない
- キーボードやマウスが使用できないかもしれない
- VegaやNaviのサポートがない
- 非Metal GPUではグラフィックアクセラレーションが利用できない
以上の理由で、OpenCore Legacy PatcherでサポートされないMacへのmacOS Venturaインストールはお勧めできません。
特に、Metalに対応しているVegaやNaviが現時点では利用できないこと、そして、Wi-Fiの利用が出来ないという点は大きいと思います。
逆に見込みがあるかもしれないのは、AMD Polaris(ポラリス)へ換装したMacのうち、BCM943602やBCM943224などのワイヤレスモジュールが取り付けられたMac Pro 2009以降であれば「もしかしたら」見込みがあるかもしれません。
Wi-FiやBluetoothなどが利用できない
macOS Montereyで使用できなくなったBCM94328やBCM94322などのワイヤレスモジュールはmacOS Monterey向けのルートパッチではmacOS Venturaに対応できず、現在これらのワイヤレスモジュールを使用しているMacではWi-Fiなどを利用できません。
影響を受けるワイヤレスモジュール
- Atheros: 全モデル
- Broadcom: BCM94328 および BCM94322
影響を受けるMac
- iMac (Mid 2011): iMac12,x 以前
- Mac mini (Late 2009): Macmini3,1 以前
- Mac Pro (Mid 2010): MacPro5,1 以前
- Mac Pro Server (Mid 2010): MacPro5,1 以前
- MacBook (Early 2009): MacBook5,x 以前
- MacBook Air (Mid 2009): MacBookAir2,1 以前
- MacBook Pro (13-inch, Mid 2010): MacBookPro7,1 以前
- MacBookPro6,x除く
USB 1.1が利用できない
macOS VenturaではUSB 1.1のサポートを打ち切りました。
USB 1.1は2012以前のMac ProとPenryn(ペンリン)世代までのMacで使用されていました。
USB 1.1については、ポートを使用しなければ問題がなさそうに思えますが、MacBookシリーズなどのラップトップ製品ではトラックパッドやキーボードの内部接続にUSB 1.1が使用されている他、赤外線受信機やBluetoothにも使用されています。
影響を受けるMac
- iMac (Late 2009): iMac10,x 以前
- Mac mini (Late 2009): Macmini3,1 以前
- Mac Pro (Mid 2012): MacPro5,1 以前
- Mac Pro Server (Mid 2012): MacPro5,1 以前
- MacBook (13-inch, Mid 2010): MacBook7,1 以前
- MacBook Air (11-inch, Late 2010): MacBookAir3,1 以前
- MacBook Pro (13-inch, Mid 2010): MacBookPro7,1 以前
- MacBookPro6,x除く
その他
これら以外にも、大きな問題として挙げられる「非Metal GPU」のサポートやMetal GPUである「AMD Vega」、「AMD Navi」アーキテクチャを使用したGPUのサポートなど課題が山積しています。
その他、MacPro3,1:Mac Pro (Early 2008)ではスリープを解除した際、イーサネットドライバが停止するトラブルが発生しているとのことです。
まとめ
現在、OpenCore Legacy Patcherプロジェクトでは現在サポートしていないMacでもmacOS Venturaをインストールできるようにと懸命に作業をしているとのことで、今後の動向に目が離せません。
今課題として取り組んでいる問題はいずれもmacOS Venturaを動かすためには大きな問題で現時点では、まだOpenCore Legacy PatcherでサポートしていないMacがいつmacOS Venturaに対応できるかについては目途が立っていないということです。
また、OpenCore Legacy Patcherプロジェクトでは、予備のVegaやNaviアーキテクチャのGPUの寄付を呼び掛けています。
ここまで、「今、Mac Pro 2012以前のMacにmacOS Venturaをインストールすべきでない理由と今後」についてみてきました。
弊ブログ(おんかぼ)含む、Kabocy Mediasグループ内では、引き続きmacOS VenturaとOpenCore Legacy Patcherの最新情報をお届けいたします。
なお、OpenCore Legacy Patcherを使用してmacOS Venturaをインストールする手順については以下の記事をご覧ください。
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