OpenCore Legacy Patcher 2.0.2が公開 ―NVIDIANvidia GPUやグラフィックスの不具合修正を含む軽微なアップデート
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2024年9月、macOS Sequoiaへの早期サポートを開始したOpenCore Legacy Patcher 2.0.0が登場し、多くの古いMacモデルが最新のmacOSで動作するようになりました。それから数週間後、バグ修正のリリースとなるOpenCore Legacy Patcher 2.0.2が公開されました。このアップデートは、いくつかの軽微なバグ修正を中心に、特にNvidia GPUやグラフィックスに関する問題が解決されています。
関連> 【詳解】macOS Sonomaのサポート対象外のMacにOpenCore Legacy Patcherを使用してインストールする方法(1/3)
動画> 【macOS Sonoma/macOS Sequoia共通】サポート対象外のMacにOpenCore Legacy Patcherを使用して最新のmacOSをインストールする方法(あのかぼ) YouTube
資料> OpenCore Legacy Patcher 2.0.2 配布ページ
OpenCore Legacy Patcher 2.0.2の主な修正点
今回のOpenCore Legacy Patcher 2.0.2では、前バージョンのOCLP 2.0.0およびOCLP 2.0.1で見つかったいくつかのバグに対する軽微な修正が行われました。特に、Nvidia GPUやmacOS 15.1 Sequoiaに関連する問題を中心に対応しています。以下は、2.0.2の主な変更点の詳細です
Nvidia Kepler GPUのパッチ修正
macOS Monterey上でNvidia Kepler GPUパッチが正常にインストールされない問題が報告されていましたが、このバージョンで修正されています。これにより、古いNvidia GPUを搭載したMacでも安定して動作するようになります。
iMac7,1およびiMac8,1でのルートパッチ適用エラーの修正
macOS Sequoia環境下で、これらのモデルがルートパッチを正しく適用できない問題が修正され、互換性が向上しました。これにより、さらに多くのiMacモデルでSequoiaを利用できるようになります。
AMD GCN GPUでのAppleGVAスタックのダウングレード回避
AMD GCNおよびそれ以降のGPUにおいて、AppleGVAスタックがダウングレードされることで生じていたVTDecoderXPCクラッシュが解決しました。この修正により、ビデオ再生やグラフィック性能が改善されます。
macOS Sequoia 15.1での3802ベースGPUのグラフィックス不具合修正
macOS Sequoia 15.1環境下で、3802ベースのGPUにおいてウィジェットが正しく表示されない問題が修正されました。これにより、UIの視覚的な不具合が減少し、よりスムーズな操作が可能になります。
CoreImageクラッシュの修正
3802ベースのGPUに関連するCoreImageのクラッシュ問題も修正されました。これにより、画像編集や処理の安定性が向上します。
非Metal GPUでのスクリーンキャプチャ問題の修正
非Metal対応のGPUを搭載したMacでは、スクリーンキャプチャ時にクロップ枠が欠落する不具合が報告されていましたが、このバグも修正されています。
TeraScale 2 GPUでのHDCPカーネルパニック修正
TeraScale 2 GPUに関連するHDCPカーネルパニックが修正され、ビデオ再生やストリーミング時の安定性が向上しました。
特定の壁紙使用時のフリーズ問題の解消
Metal対応GPUを搭載していないMacで特定の壁紙(Macintosh Wallpaper)を使用するとシステムがフリーズする問題が発生していましたが、この問題も解消されています。
2012年以前のMacでのファームウェアアップロード互換性の修正
2012年以前のMacに2012年以降のAirportカード(Wi-Fi/Bluetoothモジュール)を搭載している場合、ファームウェアアップロードに関する互換性の問題がありましたが、これも修正されています。
この問題では新しいAirportカードを古いMacに取り付けた際、そのMacのファームウェア(ハードウェアの基本的な制御プログラム)が新しいAirportカードと適切に通信できず、Wi-FiやBluetoothの動作に問題が発生する場合がありました。この問題は主に、ファームウェアが新しいカードに対して正しい制御情報をアップロードできないことが原因でした。
インストーラー作成時のdiskutil検出エラーの修正
インストーラーの作成プロセスでdiskutil
が見つからないという問題が報告されていましたが、このエラーも解決されました。
macOS Sequoiaのサポート状況と今後
OpenCore Legacy Patcher 2.0.0のリリースにより、83台の非対応MacがmacOS Sequoiaに対応しましたが、すべての機能が完全にサポートされているわけではありません。特に非Metal GPUを搭載した古いMacでは、写真アプリの非互換性や、一部のグラフィックス関連の問題がまだ残っています。また、2008年モデルのMac ProやXserveではCPUコアの制限があるなど、いくつかの制約も存在します。
関連> 【当面は待つべき?】macOS Sequoiaの早期サポートを開始したOCLPがリリース 注意が必要なMacは
開発チームは今後もこれらの問題に取り組んでいく予定ですが、解決までのタイムラインについては現時点で明確な見通しは立っていません。それでも、多くの古いMacが最新のmacOS Sequoiaを利用できるようになったことで、ユーザーの利便性が大きく向上していることは間違いありません。
チェンジログ
2.0.2 チェンジログ
- MontereyでNvidia Keplerパッチがインストールされない問題を修正
- macOS SequoiaでiMac7,1およびiMac8,1がルートパッチを適用できない問題を修正
- AMD GCNおよびそれ以降のGPUでAppleGVAスタックがダウングレードされる問題を回避
- VTDecoderXPCのクラッシュを解決
- 修正の報告者 @Ausdauersportler に感謝!
- macOS Sequoia 15.1で3802ベースのGPUに表示されるウィジェットの不具合を修正
- macOS Sequoiaで3802ベースのGPUにおけるCoreImageクラッシュを修正
- macOS Sequoiaで非Metal GPUを使用した場合にスクリーンキャプチャのクロップ枠が表示されない問題を修正
- TeraScale 2 GPUで発生するHDCPカーネルパニックを修正
- macOS Sequoiaで非Metal GPUを使用する際、特定の壁紙が原因でシステムがフリーズする問題を修正
- 対応していないMetalベースの壁紙(Macintosh Wallpaper)を削除
- 2012年以前のMacで2012年以降のAirportカードを使用する際のファームウェアアップロードの互換性問題を修正
- 修正の報告者 @Ausdauersportler に感謝!
- インストーラー作成時にdiskutilが検出されない問題を修正
- 報告者 @niklasravnsborg に感謝!
- バイナリの更新:
- PatcherSupportPkg 1.8.3 – リリース
資料> OpenCore Legacy Patcherダウンロード先
資料> macOS Sequoia and OpenCore Legacy Patcher Support #1136 (英語)
関連> 【詳解】macOS Sonomaのサポート対象外のMacにOpenCore Legacy Patcherを使用してインストールする方法 シリーズ(全3記事)
動画> 【macOS Sonoma/macOS Sequoia共通】サポート対象外のMacにOpenCore Legacy Patcherを使用して最新のmacOSをインストールする方法(あのかぼ) YouTube
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