OpenCore Legacy Patcher 2.0.1が公開 ―NVIDIA GPUの不具合修正で安定性向上
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OpenCore Legacy Patcher (OCLP)の開発チームは、macOS Sequoiaのサポートを追加したバージョン2.0.0のリリース後、軽微な修正を施したOpenCore Legacy Patcher 2.0.1を公開しました。
今回のアップデートでは、特にNVIDIA GPUに関連する不具合の修正とユーザーエクスペリエンスの向上が図られています。
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資料> OpenCore Legacy Patcher 2.0.1 配布ページ
NVIDIA GPU関連の不具合修正
MacBookPro13,3でのパッチ適用問題の解決
一部のユーザーから、MacBookPro13,3(2016年モデルの15インチMacBook Pro)において、すべてのパッチを適用した後でも「利用可能なパッチ」がリストに表示され続ける不具合が報告されていました。
この問題は、パッチ適用状況に関する混乱を招き、ユーザーが不要な再適用を試みる可能性がありました。バージョン2.0.1では、この不具合が修正され、パッチ適用後の表示が正しく反映されるようになりました。
これにより、ユーザーはシステムの状態を正確に把握できるようになり、安心して利用できます。
Nvidia TeslaおよびKepler GPU用パッチのインストール問題を修正
NvidiaのTeslaおよびKeplerアーキテクチャのGPUを搭載したシステムで、macOS Monterey以前のバージョンにおいてパッチが正しくインストールされない問題が発生していました。
この問題は、対象のGPUユーザーにとって深刻で、適切なドライバーサポートが得られず、パフォーマンスや互換性の問題を引き起こしていました。今回リリースされたOpenCore Legacy Patcher 2.0.1では、この問題が解決され、該当するGPUに対するパッチが正常にインストールされるようになりました。
Nvidia Web Driversの情報表示の誤りを修正
また、Nvidia Web Driversに関する情報表示の不具合も修正されています。
具体的には、「OpenGL」、「compat」、「nvda_drv(_vrl)」が欠落していると誤って表示される問題が解消されました。この修正により、ユーザーはドライバーの正確な状態を把握できるようになり、適切なトラブルシューティングや設定調整が可能となります。
OpenCore Legacy Patcher 2.0.0からの主な変更点
macOS Sequoiaのサポート追加
前バージョンであるOCLP 2.0.0では、最新のmacOS Sequoiaへの対応が大きな話題となりました。Appleが公式サポートを終了した83のMacモデルでの動作が可能となり、多くのユーザーが最新OSの新機能を試すことができるようになりました。
対応モデルの一例:
- MacBookシリーズ: 2008年〜2017年のモデル
- MacBook Airシリーズ: 2008年〜2015年のモデル
- MacBook Proシリーズ: 2008年〜2017年のモデル
- iMacシリーズ: 2007年〜2017年のモデル
- Mac miniシリーズ: 2009年〜2014年のモデル
- Mac Proシリーズ: 2008年〜2013年のモデル
- Xserveシリーズ: 2008年〜2009年のモデル
既知の制限事項
しかし、いくつかの既知の問題も報告されています。特に、2018年のT2チップ搭載MacBook Air(MacBookAir8,x)のサポートが現時点で提供されていない点や、2008年モデルのMac ProとXserveでCPUコアが4つに制限される問題が挙げられます。
また、非Metal対応のGPUを搭載したシステムでは、Photosアプリが正常に動作しないなどの制限があります。
非Metal対応のGPUモデル:
- AMD TeraScale 1および2: 2000〜6000シリーズ
- Nvidia Tesla: 8000〜200シリーズ
- Nvidia MaxwellおよびPascal: 900〜1000シリーズ
- Intel Iron Lake(HDシリーズ)
- Intel Sandy Bridge(HD 3000シリーズ)
これらの制限事項に関して、開発チームは引き続き解決に向けて努力していますが、具体的な解決時期は未定です。
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今後の開発は
OCLPはコミュニティ主導のプロジェクトであり、ユーザーからのフィードバックや協力が重要な役割を果たしています。開発チームは、既知の問題や制限事項の解消に向けて継続的に取り組んでおり、ユーザーエクスペリエンスのさらなる向上を目指しています。最新情報やサポート状況については、公式GitHubリポジトリやコミュニティフォーラムで定期的に確認することをおすすめします。
まとめ
OpenCore Legacy Patcher 2.0.1は、Nvidia GPU関連の不具合を中心に修正を行い、システムの安定性とユーザーエクスペリエンスを向上させた重要なアップデートです。macOS Sequoiaのサポート拡大に伴い、公式サポートが終了した古いMacモデルでも最新のmacOSを利用することが可能になりました。導入を検討しているユーザーは、既知の制限事項やリスクを理解した上で、システムのバックアップを取り、自己責任で進めるようにしてください。
チェンジログ
2.0.1 Changelog
- Fix MacBookPro13,3 listing ‘Available patches’ after having installed all applicable patches
- Fix Nvidia Tesla and Kepler patches not installing on Monterey (and older if applicable)
- Fix Nvidia Web Drivers incorrectly listing ‘OpenGL’, ‘compat’ and ‘nvda_drv(_vrl)’ missing
2.0.1 チェンジログ
- Launch ServicesでAssociatedBundleIdentifiersプロパティを配列として設定
- PKGの自動生成されたプレ/ポストインストールスクリプトに移行
- PKG作成プロセスを簡素化し、InstallとAutoPKGスクリプトが常に同期していることを保証
- PKGのポストインストールスクリプトでgktoolのサポートを追加
- PKGインストール後の初回起動時にGatekeeperの「検証中」プロンプトを削除
- 注意: gktoolはmacOS Sonoma以降でのみ利用可能
- ホストがパッチを必要としない場合のアンパッチ時のクラッシュのエッジケースを解決
- macOSインストーラー用の新しいソフトウェアアップデートカタログパーサーを実装
- すべてのファイルコピー操作に新しいコピーオンライト検出機構を実装
getattrlist
とVOL_CAP_INT_CLONE
フラグを使用して実装- APFSボリュームでのパフォーマンスを向上
- S1X/S3Xパッチのモデル範囲をHaswell MacとMacPro6,1まで拡大
- 新しく未サポートのSSDを搭載した古いマシンが起動に失敗する問題を回避
- 他のマシンからEFIを構築する場合のみ影響
- 改造されたiMac9,x-12,xでのAMD Navi MXM GPU検出を解決
- パッチを提供してくれた@Ausdauersportlerに感謝!
- 早期のmacOS Sequoiaサポートを実装:
- Metalおよび非Metalベースのグラフィックスを搭載したMacをサポート:
- MacBook5,x – 10,1
- MacBookAir2,x – 7,x
- MacBookPro4,1 – 14,x
- Macmini3,1 – 7,1
- iMac7,1 – 18,x
- MacPro3,1 – 6,1
- 注意: MacPro3,1は現在最大4コアでのみ起動可能
- GUIで古いOS用に8コアを再有効化可能:
- 設定 -> ビルド -> MacPro3,1/Xserve2,1ワークアラウンド
- Xserve2,1 – 3,1
- 注意: Xserve2,1も現在最大4コアでのみ起動可能
- GUIで古いOS用に8コアを再有効化可能:
- 設定 -> ビルド -> MacPro3,1/Xserve2,1ワークアラウンド
- 新たにサポートが終了したMacBookAir8,xシリーズは除外
- サポートが追加される時期は未定
- 非MetalグラフィックスではPhotosアプリが動作しない
- サポートが追加される時期は未定
- Metalおよび非Metalベースのグラフィックスを搭載したMacをサポート:
- Metal 3802ベースのGPUでmacOS Sequoiaをサポートするために新しいMetallibSupportPkgシステムを実装
- 詳細はリポジトリを参照: MetallibSupportPkg
- 新しいパッチセット検出アーキテクチャを実装
- 新しいカーネルキャッシュビルドアーキテクチャを実装
com.dortania.opencore-legacy-patcher.os-caching.plist
の「Label」エラーを解決- ブートピッカーとGUIにmacOS Sequoiaのアイコンを追加
- 3802 GPUでのMemojiクラッシュを解決
- Intel Ivy Bridge/Haswell iGPUでのPhotosの「Memories」タブのクラッシュを解決
- バイナリの更新:
- PatcherSupportPkg 1.8.0 – リリース
- OpenCorePkg 1.0.1 – リリース
- Lilu 1.6.8 – リリース
- WhateverGreen 1.6.7 – リリース
- RestrictEvents 1.1.4 – リリース
- FeatureUnlock 1.1.6 – リリース
- DebugEnhancer 1.0.9 – リリース
- CPUFriend 1.2.8 – リリース
- AutoPkgInstaller 1.0.4 – リリース
- CryptexFixup 1.0.3 – リリース
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OCLP 2.0.0にしたあと、AppleTVが再生できない現象があり困っていましたが、2.0.2のパッチを当て直したところ、無事AppleTVが再生できるように治りました。
こちらの環境 Mac Pro2010 ビデオカードAMD Radeon RX 580 8 GB OSはSonoma14.7、Sequoiaではありません。